【けものティータイム】後悔せず生きたいという気持ちを思い出させてくれる優しいエールのような作品

お晩です〜。バーチャル編集者の雨橘(うきつ)です。

今回は、ケモミミを持つ人々が自然に存在する世界で、期間限定の喫茶店「喫茶K」を営むKAWAII姉妹のタルトとマカロンが、紅茶と甘いお菓子を通して訪れる人々との心揺れる交流を描くけものティータイムをレビューします。
プレイ目安は、約10時間ほど。

ただかわいいだけじゃない。でも、胸の中に深く残るような人と人との関係が織りなす、切なくも心が温まる物語が展開されていきます。ドット絵の繊細なビジュアル、うつくしい物語が好きな方にオススメのタイトルです。

エンディングを迎える頃には、きっとあなたも喫茶Kのひとときが、かけがえのない瞬間になっているはず。

開発・販売は「Studio Lalala(フリュー株式会社)」さま、林風肖(WHO YOU)氏と小岩井ことり氏が共同でプロデュースを担当。かわいらしいドット絵と音響、そして切なくも温かい物語が融合した作品です。

あらすじ
『けものティータイム』はケモミミがあたり前に存在する世界で、喫茶店を舞台にブレンドティーのシミュレーションとKAWAII物語を体験できます。
この世界でひとらしく生きるには、甘いティータイムとKAWAIIの癒やしが必要不可欠。メロディアスに、可愛く、最後までひとらしく生きましょう。しかし――でも、人生は限られたもの。
幸せのあとは、切ない。喫茶店におとずれるケモミミたちが、癒やされ、救われ、KAWAIIひとときを過ごし、どのような最期を迎えるのか?
それはあなた自身の目で確かめてみてください。

4コマでわかる!けものティータイム▼

4コマ漫画はみつえさん(@mitue_sun)に書いていただきました!

▼こんな人に遊んでほしい!

  • 大切な人との関係や、幸せについて考えさせられる物語を楽しみたい方
  • かわいらしい世界観の中で、切なくも温かいストーリーを味わいたい方
  • お菓子や紅茶、繊細に描かれる美しいドット絵の世界が好きな方
  • 心強く生きる女の子たちや、関係性が深く描かれる作品が好きな方

■けものティータイムの購入はSteamから!体験版も配信中です

期間限定の喫茶Kで、
紅茶とお菓子を通して心を通わせる物語

けものティータイムの物語は、姉の「タルト」と妹の「マカロン」が二人で、念願だったお店「喫茶K」をオープンさせる、そのドタバタした様子から始まります。

店長なのにどこかおっちょこちょいな紅茶担当のタルト(上段)と、お菓子担当でしっかり者のマカロン(下段)が開店を控えて緊張しながらも、胸を躍らせている様子がとてもかわいらしいです。

どうやら寝坊をした様子、がんばれお姉ちゃん

ここから期間限定の「喫茶K」の運営が始まっていきます。

お菓子までおいしそう!喫茶Kを彩るドット絵がKAWAII

物語はもちろん、まず目を奪われるのは、画面いっぱいに広がるドット絵の美しさです。

キャラクターや背景はもちろん、紅茶やお菓子、窓から差し込む光や細かなアイテムに至るまで丁寧に描かれています。喫茶Kの中を眺めているだけでも、癒やされる気持ちになります。

音楽と喫茶Kを堪能できるMUSIC機能もオススメ

とくにお菓子のドット絵は、思わずお腹が空きそうになるくらい、本当においしそうです。
見た目のかわいさだけでなく、ひとつひとつの表現から作品の世界を大切に作り込んでいることが伝わってきます。

キャラクターたちの仕草や、喫茶店の中で過ごす何気ない時間も魅力的で、まるで自分も紅茶を片手にゆっくりとした時間を過ごしているような気持ちになれるのが、なんとも心地よいんですよね。

お菓子皿にメッセージをいれることもできる

紅茶の一杯が、誰かの心に寄り添う時間になっていく

お客さんが来店したら、茶葉とフレーバーを組み合わせ、一杯のお茶を提供します。
キャラクターごとに好きな組み合わせがあり、気に入ってもらえたブレンドを保存しておくことも可能です。

最初は「この子はどんな味が好きなんだろう?」と探っていたはずが、物語を読み進めるうちに、少しずつ「あの子にはこの紅茶を出してあげたい」と思うようになっていきました。

どんどん喫茶Kが、タルトとマカロンだけではなくいろんな人たちの大切な場所になっていく過程にもグッとくるものがあります。

小さな喫茶店の運営要素も、物語を支えている

喫茶Kでは、通貨に相当するアイテムを使った仕入れや、食材やレシピの交換など、ちょっとした運営要素も楽しめます。

効率よくお店を大きくすることが目的ではなく、あくまで喫茶Kで過ごす日々を彩り、キャラクターたちとの交流を支えるキーになる要素という印象を感じました。

どれにしようかな〜と悩む時間も楽しい

経営ゲームとしてのやり込みを期待するよりも、物語の中でお店を営む体験として楽しむと、本作の魅力をより感じられると思います。

お客さんとの会話にしっかり耳を傾けておくと、どんな茶葉やフレーバーを仕入れるといいか、少しだけ予測ができるかも。

大切な人の幸せを願うことは
どうしてこんなに難しいのだろう

さて。少し早いですが、物語の核心やネタバレは伏せつつも、トゥルーエンドまでプレイしたうえで感想に触れていきます。まっさらな気持ちで遊びたい方は、ここでブラウザを閉じて本編をプレイしていただくことをオススメします。

「KAWAIIだけじゃない」世界の奥に広がる物語

本作の公式紹介でも印象的なのが、「かわいいだけじゃない」という言葉。実際に遊んでみると、その意味を少しずつ実感することになります。

ケモミミのあるキャラクターたちが当たり前に暮らす世界で、なぜタルトには耳がないのか。かわいらしい見た目の中にある、そんな小さな違和感も、物語を読み進めるうえで気になるポイントのひとつです。

ほのぼの?できるような内容もある。
くいしんぼうさん

ゲーム内ではラジオや新聞のような読み物を通して、世界の用語や施設、背景に関する情報を知ることができます。

私はこうした収集・マテリアル要素を埋めたくなるタイプなので、初回のプレイからできるだけ読み込んでいましたが、知れば知るほど、この世界のかわいいだけではない側面が見えてくるんですよね。

キャラクターたちの心情や物語への理解がさらに深まる一方で、背景にはディストピア的な要素も感じられます。

詳しい内容はぜひ実際に遊んで確かめてほしいのですが、かわいい喫茶店の日常だけを想像していると、思いがけず心を揺さぶられるかもしれません。(体験版のプレイがオススメです!)

あの子の好きな味を、ちゃんと覚えていたかった

物語が進んでいくと、紅茶とお菓子を提供する時間も、少しずつ特別なものに変わっていきます。

最初の別れを見届けた瞬間から、ストーリーはもちろん、タルトやマカロン達の見え方も変わっていきました。

実は私、大切な局面で紅茶のブレンドを間違えて提供してしまったんですね。
もちろん、間違えたことで物語が大きく悪い方向へ進むというわけではなかったのですが……。喫茶Kの店長として「ちゃんと好きな味を出してあげたかったな……」と、とても切ない気持ちになってしまいました。

相手の好みを覚えて、その人のために一杯を用意するという行為が、いつの間にかタルト達と同じように、大切なものになっていたんですよね。とんでもない没入感。

喫茶Kはタルトとマカロン、そして私の店なんだよ…(違うよ)

タルトとマカロンにも迫る選択の時、伝えられた本当の気持ちに涙するしかない

一番心を揺さぶられたのは、タルトとマカロンが本当の気持ちを伝え合う場面でした。
マカロンが自分の本当の気持ちをタルトに打ち明けられたこと。

マカロンの「笑顔でいたい」という願いを守ろうとするタルトの姿に、強く胸を打たれました。物語の終盤に近づくにつれて、しんどくなる瞬間もありましたが、それ以上に、姉妹二人がきちんと本音で話すことができたのは、本当によかったなと思うんです。

私自身も妹がいる姉なので、どうしてもタルト側の気持ちに感情移入してしまいました。

うううう……

後悔のないように生きたいと、もう一度思わせてくれる物語

トゥルーエンドまで遊んだ後は、あまりの切なさでびしょびしょに涙してしまったのですが、それ以上に心が温かくなる余韻が残りました。

かわいいドット絵や紅茶の楽しさに惹かれて始めたゲームが、大切な人と過ごす時間や、気持ちを伝えることを大切にしたいと思わせてくれます。

最後に私の推しくんを見てくれ。かわいいねぇかわいい

かわいらしく、切なく、そして優しい。
『けものティータイム』は、後悔のないように生きたいという気持ちを、そっと思い出させてくれる、エールのような作品だと感じました。

いつ遊んでも心が洗われる名作です!

ジャンル:アドベンチャー, インディー, シミュレーション
プレイ人数:1人
プラットフォーム: Steam® / Nintendo Switch™
開発元: Studio Lalala, Kotoneiro, WHO YOU
パブリッシャー: Studio Lalala, FURYU CORPORATION

クリア後にも続いた、物語の余談

少し個人的な話になりますが、私は2026年3月ごろに訪れた「東京インディーゲームサミット」で、本作の開発ブースにお邪魔してきました!

インディーゲームイベントの良い所は、こうして開発者さんに直接感想や感謝をお伝えできることですよね。

ちょうどプレイを終えて間もない時期だったこともあり、「めちゃめちゃ面白かったです!」とお話ししたところ、クリアした人向けに用意された、作中のあるキャラクターからあるキャラクターへ宛てた手紙のノベルティをいただきました。

もう少し手心というか…なんというか…

その内容が、もう、エンディングを知っている身には本当に胸にくるもので……。手紙を読むだけで、またうるっとしてしまいました。

プレイした人だからこそ受け取れる、物語の余韻を大切にしたノベルティ。ゲームを遊び終えた後も、こうして作品の世界に触れられることが、とても嬉しかったです。

1周年を祝おう!ポップアップなど今しか楽しめない企画をチェック

この感想レビューが公開される頃には、もう情報がたくさんでていますが、2026年9月4日に、けものティータイムはリリースから1周年を迎えました!

1周年という節目に、グッズ展開やポップアップshopなどが開催されます。

いまからプレイを始めても間に合います!
ぜひゲームを遊んで、1周年という節目を一緒に楽しみましょう!