Special Feature 2026
BitSummit 2026
東映ゲームズ様 特設インタビュー

2026年京都で開催されたインディーゲームの祭典「BitSummit PUNCH」
雨夜堂は東映ゲームズ様のブースにて、現地取材をさせていただきました。
初のパブリッシングタイトルとして出展された3作品の魅力を、
開発チーム・担当者のみなさまに伺いました。




上段左から、チェ・ダウンさん、ユン・セウンさん、チェ・ダヨンさん、チャン・ジェウォンさん
下段左から、ノロマさん、Auryさん、やたらさん、Menchiさん



上段左から、チェ・ダウンさん、ユン・セウンさん、チェ・ダヨンさん、チャン・ジェウォンさん
下段左から、ノロマさん、Auryさん、やたらさん、Menchiさん
東映ゲームズ、始動。
2026年、東映株式会社の新たなゲーム事業ブランドとして「東映ゲームズ」が始動しました。
目指すのは、ゲームを起点とした新しいIPの創出。初期ラインナップには、国内外のクリエイターによる3つの新作タイトルが並びます。
ジャンルも表現も異なる3タイトルに共通していたのは、開発チームの強いこだわりと、思わず夢中になってしまう物語の気配でした。本特集では、開発チームみなさまが持つ制作へのこだわりと、東映ゲームズが3タイトルに見出した可能性を、インタビューを通じて紐解きます。
KILLA

HINO

DEBUG NEPHEMEE

KILLA

『ラ』を殺せ
『KILLA』は、悪夢のようなダークで幻想的な人形劇の世界を舞台にした推理アドベンチャー。
プレイヤーは「共鳴」の能力を使って容疑者の記憶へ潜入し、夢の断片を組み合わせて真実を編み上げていきます。
果たして、師匠を殺した「ラ」は誰なのか。
『KILLA』は、かわいらしいビジュアルの奥に、残酷さや悲しさを秘めた作品です。
開発チーム「ケンキツ団」のみなさんが大切にしているのは、その相反する要素をどちらかに寄せるのではなく、“童話”のような形で同居させることでした。
2025年の東京ゲームショウではノベルティがすぐに無くなるほど、圧倒的なビジュアルと表現の美しさに多くの方が注目していたタイトルです。そんな『KILLA』の魅力をケンキツ団のみなさんから伺いました。
ケンキツ団
「自分たちが本当に遊びたいものを」
ーそんな純粋な衝動から集まった韓国の女子4人組チーム。普段は「隠れオタク」を自称する彼女たちが、その深い知識と熱量を武器に、デビュー作『KILLA』でゲームシーンに挑む。細部までこだわり抜いた演出と、感性を揺さぶるダークな世界観。
ケンキツ団の「好き」が世界を熱狂させる。
●メンバー
チェ・ダヨンさん:シナリオ・グラフィック
チェ・ダウンさん:企画・マーケティング
チャン・ジェウォンさん:プログラマー
ユン・セウンさん:サウンド
残酷で悲しい物語を、美しくも可愛らしく描きたい
——皆さんの作品づくりのこだわりについて伺いたいです。作品づくりで特に大切にしているこだわりについて教えてください。
チェ・ダヨンさん:
『KILLA』は、残酷童話のようなコンセプトを持つ作品です。
残酷で悲しい物語を、かわいらしい形で描くことを重視しています。
キャラクターたちの背景やストーリーを、音楽や演出・コンテンツを通じて、どのように見せるかを大切にしてきました。 そのため、演出的な部分には特に力を入れています。
——最新の体験版を遊ばせていただいて、画面全体の美しさにとてもこだわりを感じました。美しいビジュアルを作るうえで、これだけは外せない部分はありますか?
チェ・ダウンさん:
私たちは、美しさを大事にしているので、マップやビジュアルづくりには、とくに気を配っています。
ただ美しいだけではなく、美しくも残酷な物語を見せるには、童話のような形式が合うと考えました。
その童話らしさをよりよく見せる方法として、ポップアップブックのような表現が合うと思い、そうしたイメージや演出を取り入れています。

——ポップアップ絵本はわかりやすいですね、平面のイラストが立体的に重なる様子には、コラージュのような印象もありました。世界観の表現方法にとてもこだわられているのですね。
極端な表情と鮮やかな色彩で、感情を届ける。表現へのこだわり
『KILLA』の画面には、かわいらしさだけではなく、強い感情や目を惹くカットなど、力強い表現も要所に宿っています。
とくに印象的なのが、キャラクターたちの絶望した表情や、感情が大きく揺れるカットシーンです。
——画面全体の美しさに加えて、キャラクターの絶望した表情などにも、強いこだわりを感じました。キャラクターの表情を描くうえで、意識していることはありますか?
チェ・ダウンさん:
キャラクターたちが感じている極端な感情を伝えるためには、ゲームや二次元の表現では、少し過激に見せる方が感情が伝わりやすいと考えています。
そのため、表情やカットシーンを描くときには、より劇的に見えるようにしています。
色彩も、目を引くような派手な表現を使うことで、感情がより伝わるように描くことを重視しています。
——なるほど。派手さも意識されているんですね。KILLAはSteamで体験版が公開されていますが、体験版の中で、先ほどお話しいただいたこだわりがとくに強く体験できる場面があれば教えてください。
チェ・ダウンさん:
大きく二つあります。
ひとつは、師匠の死後に登場する「選択の部屋」
もうひとつは、人形劇場でクイズを解く場面です。


人形劇場のロジックには、あるキャラクターの人生が見えるようなミニバージョンとして、物語全体の伏線を入れています。 そこには特に力を入れました。
——体験版の序盤から、伏線を仕込まれているのですね。どちらも、プレイヤー自身が考え、選んで先へ進んでいく場面です。物語本編でその伏線回収を早く知りたくなります!
ヴァルハラと一緒に迷い、物語の結末をあなたが選んでほしい
『KILLA』は主人公のヴァルハラが師匠を殺した犯人を突き止めるため、容疑者の集まる謎のパーティで、推理や選択をしていく要素があります。
公開中の体験版では、推理の重要な要素になる「共鳴」や、物語を楽しめる伏線が多く仕込まれているようです。リリースを控えた『KILLA』の魅力や見てほしいポイントを伺いました。
——体験版は、主人公ヴァルハラの背景を垣間見る前日譚のような位置づけと思います。本編でぜひ体験してほしい部分や、こだわっている部分はありますか?
チェ・ダウンさん:
体験版に出てくる人形劇場の部分は、本編で描かれる「共鳴」の要素に近い、味見のようなものだと考えていただければと思います。
本編では、その部分がさらに発展した形で登場します。
また、冒頭にヴァルハラとラッピーが少し対立するような場面がありますが、そこも伏線になっています。 楽しみにしていただけると嬉しいです。
——そこも伏線だったとは、楽しみです!「共鳴」のシステムは、どのように決めていったのでしょうか?
開発チーム:
全体的には、みんなで一緒に進めていきました。
ただ、推理ゲームとしての演出やシステムの部分については、プログラミングとアートの担当者が中心になって作ってくれました。
——チームでシステムも画面作りも進められているのですね。これから『KILLA』を知る方々へ見どころや魅力を教えていただけますか?
ケンキツ団:
体験版ではまだ見せられていない後半にも、魅力的な物語やキャラクターがたくさん登場します。そこを期待しながら、体験版を遊んでいただけると嬉しいです。
とくに、選択の部屋でヴァルハラが迷う場面では、プレイヤーにも一緒に迷ってほしいです。 ヴァルハラの気持ちに共感してもらえたらと思います。
プレイヤーとヴァルハラが共鳴する瞬間があるので、そこを感じてほしいです。

——ビジュアルやキャラクターに惹かれて『KILLA』を知った方も多いと思います。普段あまり推理ゲームを遊ばない方に向けて、本作をどのように楽しんでほしいですか?
チェ・ダウンさん:
ゲームとして難しく考えるのではなく、物語として受け取ってもらえたら嬉しいです。
美しい物語として、『KILLA』は楽しんでいただけると思います。
ゲームプレイとしても難しい部分はとくにありません。
物語をしっかり読んで進めていただければ、ゲームをあまり遊ばない方でも、困ることなくプレイできると思います。
ユン・セウンさん:
プレイヤー自身が物語の主人公となって、さまざまな結末を体験できます。ヴァルハラの復讐の結末は、プレイヤー自身の選択で決められるので、ぜひ自分らしい推理ゲームとしても、物語としても楽しんでもらえたら嬉しいです。
『KILLA』は、かわいらしいビジュアルの奥に、残酷さや悲しさ、そしてプレイヤー自身の選択を問う物語を秘めた作品です。
ヴァルハラと共に迷い、復讐の行方を自分の手で選び取る体験が、どのような結末へつながっていくのか。リリースを楽しみに待ちたいです。
ケンキツ団のみなさんの”推しキャラ”は?
『KILLA』には、まだ体験版には登場していないキャラクターが多く登場します。
そこで、開発チームの皆さんに、個人的に好きな“推し”キャラクターについても聞いてみました。

チェ・ダウンさん:
私は、ピンクの髪の『ララ』というキャラクターが持っている人形が好きです。
子どもっぽいララとは違って、その人形には大人っぽい雰囲気があるところが好きです。
ユン・セウンさん:
私は、ミステリアスな雰囲気のあるイケメンの『ミカエラ』が好きです。
チェ・ダヨンさん:
私は、少し繊細そうな男性キャラクターが好きなので、紫色の髪の『シラ』が一番好きです。
チャン・ジェウォンさん:
私は、少し性格が悪そうなミント髪の女の子『バニラ』が一番好きです。
▼気になるキャラクター達はトレーラー動画に登場しています。
容疑者の「ラ」は一体誰なのでしょうか。
HINO

絵師「やたら」がボールペンで紡いだ
ヒノたちの世界が、ゲームとして息づく…
暗闇が支配する世界で、少女は目覚める。
廃墟となった保育園で目を覚ました少女、ヒノ。
目の前に現れた正体不明の怪物たち。
カフェオレ缶を欲しがる奇妙な相棒「もにもにスケルトン」。
二人は安息の地を求め、暗闇の中へと歩み出す。
『HINO』は、黒と白のコントラストが織りなす荒廃した世界を、かわいらしいヒノともにもにスケルトンが旅するアクションゲーム。恐ろしい怪物たちが跋扈する世界で、安寧を求める小さな冒険が描かれます。
かわいらしさと不気味さが同居する、独特の空気感が印象的な作品です。
『HINO』を開発する「UnGloom Studio」チーム、絵師のやたらさん、プロデューサー/アニメーターのAuryさん、プログラマーのMenchiさんの3名からお話を伺いました。
UnGloom Studio
肯定と否定を繰り返す世界観と物語をテーマにゲームを制作するインディーゲームスタジオ。
それぞれのクリエイターが専門性を活かし、真実を追い求めるダークなゲーム体験を世界に届けています。
▼お話を伺ったメンバー
やたらさん:イラストレーター
Aury(アウリィ)さん:プロデューサー/アニメーター
Menchi(メンチ)さん:プログラマー
「やたらさんの世界観に惚れた」から始まった、
新しいヒノの世界
ボールペンで描かれたやたらさんの世界観は、どのようにしてゲームとして動き出したのでしょうか。
BitSummitでの手応えから、ゲーム化のきっかけ、そして一枚絵をアクションゲームへ落とし込むうえでの工夫まで、UnGloom Studioのみなさんに伺いました。
——2回目の出展とのことですが、今回のBitSummitはいかがでしたか?ビジネスディを終えた感想をお聞かせください。
Auryさん:
本日はビジネスデイですが、思ったより足を運んでくださる方が多かったです。
今回、東映ゲームズ様のブースで初めての出展ということもあって、興味を持ってくださっている方が多いのかな、という印象がありました。
『HINO』としての出展は2回目なのですが、『HINO』自体にも興味を持ってくださる方が多いと感じました。参加して良かったなと思います。
——『HINO』はやたらさんのイラストが原作の作品と伺っています。ゲーム化がはじまったきっかけを教えてください。
Auryさん:
僕からやたら先生に声をかけさせていただきました。
僕はチームのプロデューサー的な立ち位置なんですけど、もともと同じ世界観が好きだったので、認識が合うところもあり、「ぜひこの『HINO』というタイトルをゲーム化させてほしい」とオファーさせていただいた形です。

——試遊させていただいたのですが、繊細な絵とアクションの動きが噛み合っていて、すごいなと思いました。イラストをゲームのために落とし込むうえで、こだわっている点はありますか?
やたらさん:
普段、私が絵を描くときは、一枚のイラストとして背景やキャラクターを全部一体化させて描いています。
ただ、ゲームとなると、そういう描き方ではいけないんですよね。
ジャンプの動きだったり、怪物が腕を動かしたりするときは、腕、胸、腕……というように、全部パーツを分けて描いていく必要があります。
そこは今までの描き方と勝手が違ったので、少し慣れない部分もありました。
でも今となっては、動くことを前提に描くことで、「こういう動きをするんだな」と考えられるようになりました。今までとは違う楽しみで描けています。
どこを切り取っても『HINO』になる、動きと世界観へのこだわり
『HINO』の魅力は、キャラクターや背景だけでなく、画面の端々にまで独特の世界観が行き渡っているところにあります。
その印象を支えているのは、やたらさんの絵をもとにしたアニメーションと、ゲームとしての細かな調整です。
——描いたものをアニメーションとして動かしていく過程では、どのようなやり取りがあるのでしょうか?
やたらさん:
描いたものをお渡しして、アニメーションをつけていただくのですが、本当にいつも不気味で最高の動きにしていただいています。返ってきたものを見たときは、自分自身も「なんて気持ち悪いんだ」と。いい意味で大喜びしています。
——気持ち悪いという褒め言葉!たしかにボスの動きは、遊んでいてゾワゾワくる怖さと気持ち悪さがありました。
Auryさん:
アニメーションも僕が担当させてもらっていて、いただいたイラストにアニメーションをつけています。 もともと不気味なものが好きなので、「こういう動きをするんだろうな」という想定のもとで動かしています。
最終的に、この動きで合っているかどうかはチェックしていただく形ですね。

やたらさん:
本当に全員で同じ世界観を構築していく感覚です。言わずとも向いている方向が同じといいますか。そこに関しては、本当に信頼しています。
もちろん想像以上のものが来ることもありますし、それをより近いものにまとめていけるのが、一番楽しいところだと思います。
——なるほど、素晴らしい連携プレーで成り立っているのですね。世界観の表現が難しそうな作品だと感じていますが、プログラミング面で意識されていることはありますか?
Menchiさん:
アニメーションをもらったあと、実際にゲームへ組み込むのは自分です。
アニメーションの尺や溜めなど、大体の想定はもらっていますが、「もう少しタメがあったほうがいい」「ここは短いほうがいい」といった部分は、こちらでも調整しています。
そのほうが、やりたいことのイメージが伝わるだろう、というゲーム体験を考慮した提案も積極的にさせてもらっています。
——ゲーム体験として面白くなるように、細かな微調整もされているんですね。
Menchiさん:
そうですね。ただ、メインで見せたいのは、やっぱり怪物の動きの気持ち悪さや画面映えですね。
「こうしたほうが難易度が上がる」「ゲームとして面白くなる」という考え方もありますが、それ以上に「気持ち悪さはどうか」「見た目のインパクトがあるか」は意識して調整しています。
——本来の絵の魅力と、ゲームの中で絵が動く魅力のバランスを、チームで取っているような感覚でしょうか。
Menchiさん:
そうですね。今回公開した体験版のボスもそうですが、アニメーションの一部について「こっちのほうがいいんじゃないか」とモーション案をもらって、それを採用したりもしています。
単純な開発だけではなく、ゲームが面白くなる形にみんなが関わってくれている。そういう意味では、チームで作っているなと思います。
——皆さんが『HINO』に対して、個人的に好きなところをそれぞれ伺いたいです。「ここが好きだ」というところを教えてもらますか?
Auryさん:
僕は開発が始まる前からやたら先生のファンなので、この絵のタッチと世界観は、好きな人には本当に刺さるものだと思っています。僕は世界観まるごと好きです。
Menchiさん:
『HINO』は、どこを切り取っても画面に味があるんです。
背景もそうですし、キャラクターもそうですし、瓦礫一つでもそうです。
どこを見ても「あ、『HINO』だ」と感じられる。そこがいいところだと思います。
やたらさん:
僕は、やっぱり動きを見てほしいです。
イラストだけだと、これまでは動きがなかったんですが、そこに「動き」という新しい体験が追加されました。
自分自身も、いつも「どういうモーションが来るんだろう」と楽しみにしている部分があります。そこは本当に良い作りになっていると思います。
——「どこを切り取っても『HINO』だ」と感じられる画面。
そこに“動き”という新しい魅力が加わることで、やたらさんの世界観がゲームの世界でも豊かに表現されているのですね。
本当に見てほしいのは、かわいさの奥にいる“怪物”?
『HINO』は、主人公ヒノや相棒のもにもにスケルトンのかわいらしさも印象的な作品です。
ただ、開発チームが特に見てほしいと話していたのは、意外にも“怪物”の存在でした。
——『HINO』の見どころを伺いましたが、『HINO』の世界観が、ゲーム体験の中で一番表れている部分はどこだと思いますか?
Auryさん:
ゲーム体験の中だと、やっぱり怪物ですね。
主人公であるヒノや、相棒のもにもにスケルトンにもフォーカスはしているんですけど、僕たちとして見てほしいのは、むしろ怪物のほうなんです。
そっちのほうが実は重要なんだぞ、という。

「なんでこいつはこういう場所にいるんだろう」「なんでこういう動きをしているんだろう」と考えてもらえると、より世界観に入っていけるのかなと思います。
やたら先生の一枚絵の怪物が、ゲーム体験を通じてより気持ち悪く、よりかっこよく見える。そこを見てもらえると嬉しいです。
やたらさん:
世界観としては、かなりその感覚は近いです。
プレイヤーはヒノの目線で怪物を見ていくことになります。 怪物の魅力は、やっぱり凶暴さや恐ろしさだと思っています。
その恐ろしさが、すごく素敵なアニメーションで襲いかかってくるので、ぜひ楽しみにしてほしいです。
——まだ『HINO』を遊んだことがない人も多いと思います。作品を遊んでもらったとき、どんな気持ちになってほしいですか?
やたらさん:
『HINO』を通して、怪物に追いかけられる、襲われるという体験をしてもらうことで、緊迫感のようなものを感じてもらえればと思っています。恐怖というと、また少し違うんですけど。
原作にイラスト作品があり、それをゲーム化するということで期待してくださっている方もいらっしゃいます。そういう方に対して、納得してもらえるものを届けられたらいいなと思っています。

Menchiさん:
体験版を遊んでいただくために、今回、東映ゲームズさんにもご協力いただいている部分があります。
僕たちは、ひたすらゲーム体験を突き詰めていくしかないなと思っています。
やたらさん:
怪物にモーションがついたとき、実装してもらったあとにゲーム画面を見てみると、「本当にそんなえげつない動きをするんだ」と、自分自身もびっくりすることがあります。
Auryさん:
世界観を楽しみつつ、体験版を通じて「本編はどうなっていくんだろう」と思ってもらえるといいですね。
ヒノともにもにスケルトンがどうなっていくのか。
今回のボスを倒したあと、もっとすごいボスが出てくるのか。
そういう本編への期待を持っていただける体験版になればいいなと思っています。そこがプレイヤーの方に伝われば嬉しいです。
——今後もイベントには出展されると思いますが、さらにブラッシュアップしたものが遊べる可能性もあるのでしょうか?
Auryさん:
今後、またイベント出展や体験版をお披露目できる際には、さらにもっと良くなった状態を見てほしいと思っています。
今はまだ本編を制作中なので、もっとブラッシュアップしたバージョンの体験版を見てもらって、「これが『HINO』だ」と言える状態で、リリースまで持っていきたいです。
ぜひ期待していただけると嬉しいです。
『HINO』は、やたらさんの描くボールペン画の世界を、ゲームならではの“動き”と“緊張感”によって拡張する作品です。
かわいらしいヒノともにもにスケルトンの奥に潜む、凶暴で恐ろしい怪物たちの存在が、今後どのように描かれていくのか期待が高まります。
DEBUG NEPHEMEE

バグに抗え、使命を果たせ
この世界は「バグ」と呼ばれる異変にむしばまれてしまった。
住んでいるのは、ネフェミーという生きものたち。
持って生まれた使命、失くしてしまった記憶、
大切なともだち――
相手を深く知ることで攻撃できる戦闘システムで、世界とネフェミーを『デバッグ』する旅に出よう!
『DEBUG NEPHEMEE』は、ネフェミーと呼ばれる不思議な生き物たちをめぐるパズルアドベンチャー。
かわいらしいピクセルアートの見た目とは裏腹に、プレイヤー自身が“バグらされる”ような独特のゲーム体験が待っています。
本作をひとりで開発するノロマさんに、ネフェミーという存在、ゲームシステムに込めたこだわり、そして東映ゲームズとの出会いについて伺いました。
Nephemee Studio
ネフェミー愛好家としてネフェミーを世に広めるべく活動中。
プログラムからキャラクターイラスト、BGM、ストーリーなどを一人で担当。前職はシステムエンジニア。
「ネフェミーを知ってほしい」から始まった、ひとり開発
そう話してくれたのは、『DEBUG NEPHEMEE』を開発するノロマさんです。
本作は、ほんわかしたピクセルアートの見た目とは裏腹に、プレイヤー自身が“バグらされる”ような不思議な体験が待っているパズル・ゲームです。
その出発点にあるのは、ゲームシステムやジャンルではなく、まず「ネフェミー」という生き物を知ってほしいという想いでした。
——ノロマさんは、ご自身を「ネフェミー愛好家」と名乗られていて、とても印象的でした。
今作の登場人物であるネフェミーとは、どんな存在なのでしょうか?
ノロマさん:
ネフェミーは、ハグをするとお友達になれる生き物です。
家族や恋人はおらず、性別はあるものの、繁殖はしません。そのため、どうやって生まれているのかはわからない。そうした設定を持つ不思議なキャラクターたちです。
単純にネフェミーが好きであれば、あなたも今日から愛好家になれます!

——どこか不思議な存在のキャラクターたちですね。別のインタビューでは、各キャラクターにとても詳細な設定が用意されていると伺いましたが、どれくらい作り込まれているのでしょうか?
ノロマさん:
どこまでお話するか難しいのですが、キャラクターが持っている信念は、すごく大事にしています。
そのキャラクターは何を大事にしているのか。何を優先するのか。どういう考え方をするのか。
その結果、ゲーム内でどういうセリフが生まれるのかを考えてストーリーを書いています。
もちろん身長などのプロフィールも決めていますが、主に内面的な部分にフォーカスして設定を作っています。
——ネフェミーを知ってもらうために、ゲームをおひとりで作られていて、とても驚きました。ゲームを1から作るのは本当に大変だと思うのですが、その熱量はどこから来ているのでしょうか?
ノロマさん:
元々は、自分ひとりで作れるとは私も思っていませんでした。
でも高校生のときに遊んだ『洞窟物語』というゲームがあって、その作品もグラフィックやBGMまで一人で制作されていたんです。
それを見て「一人でも作れるんだ」と、そこから自分も挑戦してゲーム開発を始めました。
本当に大変でしたが、やっぱりネフェミーをどうしても表現したいという気持ちがあったから、ここまで頑張ってこられたのかなと思います。
——ネフェミーを知ってほしい。ネフェミーを表現したい。
自分のつくったキャラクターたちへの愛情が、開発の大きな原動力になっているのですね。
キャラクターへの愛情と信念が、ゲームシステムになる
『DEBUG NEPHEMEE』の特徴は、かわいらしいキャラクターだけではありません。
実際に遊んでみると、複数の画面を同時に見ながら判断していく、独特の“バグらされる”ような感覚があります。
そのゲームシステムもまた、ネフェミーたちの個性や使命と深く結びついていました。
——実際に遊んでみると、まるでプレイヤー側が“バグらされる”ような独特の手触りがあり、とてもおもしろかったです。こうした独特な戦闘システムは、開発当初から決まっていたのでしょうか?
ノロマさん:
じつは、最初は全然違うものでした。まず、ストーリーが伝わるようなゲームシステムにしたいと考えていました。もう遊んでくれた方はわかると思うのですが「UNDERTALE」など、他にも影響を受けた作品がたくさんあります。戦闘システムは、独自性のあるユニークなものにしたかったんです。
試行錯誤の結果、現在のようなマルチタスク系のゲームに近い形になっていきました。

——キャラクターを知らないと攻撃ができない、ダメージを与えられないような仕組みがありました。それも、キャラクター設定の深さから来ているのでしょうか?
ノロマさん:
そうですね。左下のミニゲームでは、相手の嫌いなものを投げる仕組みがあります。そこでも、できるだけキャラクターの個性を出したいと思って、このシステムになりました。
——実際に遊んでみると、彼らには「使命」がある、という点にも驚きました。
ネタバレにならない範囲で、ネフェミーたちがもつ「使命」について伺ってもいいですか?
ノロマさん:
例えば、とあるキャラクターは、「世界を解き明かす」という使命を持っています。
ただし、使命は少し呪いのようなものでもあり、それだけしか考えられないキャラクターも多いです。
使命は全員が持っているわけではありませんが、メインキャラクターたちはそれぞれ使命を抱えています。
それに抗えるキャラクターもいれば、そうではないキャラクターもいる。
その使命と、キャラクターがどう向き合うのか。それぞれが持つ個性として描けたらいいなと思っています。
——本編ストーリーがとても気になります!体験版では戦闘システムをメインに置かれていると思いますが、キャラクターや世界観の深掘りが、ゲーム内で一番表れている部分はどこでしょうか?
ノロマさん:
そこも、まずは戦闘シーンでしょうか。
私は一人で作っているので、BGMもグラフィックも全部自分で作っています。
複数人で作ると、システムとストーリーが噛み合わないこともあると思うのですが、私はシステムとストーリーがきちんと繋がるように、できるだけシステム自体に意味を持たせることを意識しています。

例えば、戦闘中にBGMが流れているのですが、相手をバグらせるとBGMの音の数が減るんです。
バグっている感じを、音でも演出しています。
ゲーム全体の体験として「今バグっている」「今どうなっているのか?」ということが感じられるように意識しています。
——キャラクターの世界観からゲーム体験まで、全てがネフェミーたちを起点に細やかに作られていることが伝わりました。その愛情とこだわりが本作の独特な体験と手触りを生み出しているのですね。
「誰かに届けたい」と踏み出した一歩が、大きな船出に
ひとりで開発を続けてきた『DEBUG NEPHEMEE』は、イベント出展をきっかけに東映ゲームズと出会い、大きく展開が広がっていきました。誰かに届けたいという想いが、どのようにパブリッシングへとつながったのか。ノロマさんに、出展当時のことや今後の届けたいテーマについて伺いました。
——お一人での開発はとても大変だと思いますが、『DEBUG NEPHEMEE』を、イベントなどに出展を始めたのはいつ頃になるのでしょうか?
ノロマさん:
イベントに初めて出展したのは、2025年の10月です。それまではほとんど認知されていなくて、Xのフォロワーも0人の状態でイベントに応募しました。とても不安でしたね。
でも、そのイベントで東映ゲームズの方に声をかけていただいたことが、今回パブリッシングをしていただくきっかけになりました。
——これまで、開発だけでなくイベント準備やPRもお一人でされていたと思います。東映ゲームズのみなさまと一緒に進められるようになって助かっている部分はありますか?
ノロマさん:
たくさんありますね。最初は、ここまで力を入れていただけるとは思っていなかったので不安もありましたが、いまはとても心強いです。
その中でも、一番はマーケティングやプロモーションです。自分では絶対にできないことなので、とても助かっています。
キービジュアルも作っていただいて、本当にありがたいです。

——とても素敵なキービジュアルですよね。これから『DEBUG NEPHEMEE』を知る人は、もっと増えていくと思います。初めてこのタイトルを知る人に向けて「こういうゲームだよ」と伝えるなら、どう伝えたいですか?
ノロマさん:
一言でいうと難しいですが、「ネフェミーを救う」ことが主人公たちの使命です。
まだはっきりとは言えませんが、今後はストーリー部分にも触れてもらえる機会を作るかもしれません。

そして、「使命」もひとつのテーマなのですが、「存在するとは何なのか」ということも、この作品の大切なテーマにしています。
ネフェミーは架空の生き物ですが、私が高校生くらいの頃から創作をしていて、自分の頭の中にはずっと存在していました。 存在することと、存在しないことの境目は意外と曖昧なんじゃないかと考えています。
——存在と非存在の境界の曖昧さを感じてもらえたら嬉しい、ということですね。こうして出会った瞬間から、確実に私たちの中にもネフェミーたちがいることになりますね。
ノロマさん:
ネフェミーが、いろいろな人に届いてほしいという気持ちはあります。
それと同時に、私がゲーム開発を志したのは、高校生のときに遊んだゲームをきっかけに「自分も作りたい」と思ったからです。
自分のゲームを遊んで、同じように「作りたい」と思ってくれる人がいたら嬉しいです。
『DEBUG NEPHEMEE』は、かわいらしいネフェミーたちを知ってもらいたいという、ノロマさんの強い想いから生まれた作品です。
キャラクター設定、戦闘システム、音の演出までが結びついた本作は、「存在するとは何なのか」という問いを、プレイヤーの中にそっと残してくれそうです。
Special interview
「ものがたり」を届けるために。
東映ゲームズが語るタイトルへの想い

ここまで、3つの開発チームのみなさまから、作品づくりへの想いを伺ってきました。
最後は、それぞれのタイトルに伴走する東映ゲームズさまの視点に迫ります。
開発チームのこだわりをどのように支え、ユーザーへ届けようとしているのか。
メールインタビューを通じて、その考えを伺いました。
『KILLA』『HINO』『DEBUG NEPHEMEE』は、ビジュアル、ゲームシステム、開発体制、独自の世界観がそれぞれ大きく異なるタイトルだと感じています。3タイトルが並ぶことで見えてくる共通の魅力や、東映ゲームズ様として特に惹かれているポイントがあれば教えてください。
『KILLA』『HINO』『DEBUG NEPHEMEE』の3タイトルは、東映ゲームズ内の担当者がそれぞれ1タイトルずつ選びました。
敢えてジャンルやテイストを揃えたりずらしたりといったことはなく、純粋にそれぞれの担当者が「このゲーム、このクリエイターさんと一緒にやっていきたい」と思ったタイトルを選んだ結果このラインナップになりました。
そのため3タイトルが並ぶことによる共通の魅力というものは意図したものではありませんが、結果として、良いタイトルが揃ったと思っていますし、東映ゲームズとして大事にしたいと考えている「ものがたり」をしっかりと表現できるのではと考えています。
参考に、それぞれの担当者からタイトルについてのコメントを添付します。
長島 寛晃さま
私が選んだのは、UnGloom Studioの『HINO』です!
出会いは、昨年大阪で開催されたイベントでした。やたら氏の手によるボールペン絵の美しさに一目ぼれし、実際にプレイして『HINO』と『もにもにスケルトン』が動き回る世界観を体感したとき、言葉にできないほどの感動を覚えました。
「この作品を絶対に世に送り出したい」と、その場でUnGloom Studioにアポを取り、交渉をスタート。東映ゲームズの初期ラインナップとして本作を迎えられたことを、本当に嬉しく思っております。
岩川 日和さま
『DEBUG NEPHEMEE』は、Nephemee Studioのノロマさんがストーリー、プログラム、音楽、イラストなど全てを1人で作られている作品です。
最初にデモをプレイしたとき、1人で作っているとは思えないほど丁寧に作られていることに感銘を受けました。
プレイしながら思わず声が出てしまう、4画面マルチタスクの独特のゲームシステムもさることながら
可愛らしいキャラクターたちの裏側に走る、「使命」や「存在」をテーマにした緻密で重厚なストーリーに惚れてアタックさせていただきました。
松本 拓也さま
私が選んだのは、ケンキツ団の『KILLA』。
韓国の女性4人組がつくっているゲームで、東映ゲームズとして活動し始めた最初期に出合いました。
その後もさまざまなイベントで数多くのゲームを見てきましたが、『KILLA』のユニークなアートと、ミステリアスなストーリーが忘れられなかったんです。
彼女たちの情熱が詰まっていて、パワーが伝わってくる。東映ゲームズの最初のパートナーとして、これだけの輝きを持っているクリエイター、タイトルと一緒に歩んでいきたいと思いました。
リリースやイベント出展が近づくにつれ、宣伝・販売・イベント展開・ローカライズなど、開発者の皆様だけでは抱えきれない領域も増えていくと思います。東映ゲームズ様として、現在のフェーズで特に重視している支援や取り組みについて教えてください。
QA(品質管理)やローカライズ、イベント出展、メディア訴求、などパブリッシャーとしてカバーすべき領域は東映ゲームズとして一通り行っていく予定です。
これらの各業務はどれもとても重要で、これが特にというものはありません。
その中で東映ゲームズとして大切にしているのはクリエイターさんとの向き合いで、それが全ての基礎になると思っています。
クリエイターさんが何を実現したいのかを理解してそれに向けて有形無形の努力をしていくことがパブリッシャーの務めであり、まだまだ理解の浅いところがあり勉強する毎日ですが、できるだけクリエイターさんに「東映ゲームズにパブリッシングを任せて良かった」といってもらえるように頑張っています。
その延長線上に、ゲームファンの皆様の期待に応えることができると思っています。
3タイトルはいずれも、強いこだわりや独自の世界観が魅力になっている作品だと感じています。宣伝や販売の規模を広げていくなかで、東映ゲームズ様として、開発者の皆様の何を大切にしながら伴走したいと考えていますか。
先ほどの質問の答えと重なりますが、クリエイターさんが何を大切にしているか、何を実現したいのかが最も大切だと思っています。
もちろん、ゲーム開発での壁打ち役やテストプレイ、アイデアの提供、環境の整備、その他大切なことはたくさんありますが、クリエイターさんの想いを実現することが最も大切なことだと考えています。
これは変化していくこともありますし、言葉として表現しにくい要素も含んでいますが、東映ゲームズとして、そのようなエモーショナルな部分も汲み取りながら、クリエイターさんと一緒により良いゲームを世に出せるように頑張っていくつもりです。
今回、 3タイトルを揃えて出展されたなかで、来場者やメディア、関係者からの反応はいかがでしたか。
特に印象に残っている反応や、今後の展開に向けて手応えを感じた点があれば教えてください。
来場いただいた皆様、メディアの皆様には本当に良い評価をいただいたと思っております。
BitSummitに参加する方はコアゲーマーや業界関係者が多く、どうしても贔屓目の評価を頂く傾向にあると思いますが、それを加味しても本当に良い評価をいただき、パブリッシャーとしてこの3タイトルを選んだことに間違いはなかったと感じています。
お陰様でBitSummitの会期中はほぼ全ての時間帯で試遊台が埋まってしまっていまして、今後そこはなんとかしなければなりませんが、プレイ待ちのお客様やメディアの方々も互いに譲り合ってプレイ中の方を邪魔しないようにお待ちいただき、その後熱心にプレイしていただいていたのが非常に印象的でした。
リリースを楽しみにしていただいている皆様のためにも、クリエイターさんと協力してより良いゲームをパブリッシングしなければという気持ちになりました。
今後は東京ゲームショウをはじめ、国内外のイベントやグローバル展開も視野に入っているかと思います。初めて3タイトルを知る方々に向けて、注目してほしいポイントやメッセージがあれば教えてください。
ゲームはグローバルで展開できるコンテンツです。
日本はもちろん世界中の方にぜひ東映ゲームズのタイトルを遊んでほしいと思っています。
この3タイトルはどれも作り手の強い想いが込められていまして、手にとってプレイしていただければきっとそれが伝わると思います。
現在デモ版を公開しているのはKILLAのみですが、その他の2タイトルもまたデモ版を公開すると思いますし、展示会などではその時の最新版の試遊版をご用意する予定です。
日本国内では小さなイベントにもなるべく出展する予定です。東京・大阪の方はもちろん、地方にも出展していきますので、見かけたらぜひプレイしてみてください。
ーーお忙しい中、みなさまインタビュー取材に応じていただき、誠にありがとうございました!
今後とも、東映ゲームズのみなさまのご活躍を楽しみに応援しております。

物語好きゲームメディア
雨夜堂(あまやどう)
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